境内の紫陽花の毎年トップバッターで咲く青い株がぐんぐんと色づき始め、
今年も西生寺紫陽花の「開花宣言」です。
と同時にいよいよ梅雨入りが近い事を告げています。
生前、園子ママが丹精を込めて育ててきた紫陽花ですので、
毎年最初に花瓶に生ける紫陽花は園子ママとお父さんの「お仏壇」と決めています。
(今年も惜しげもなく一番大きな大輪の紫陽花をお仏壇にお供えしました)
**
そして今回のおてら通信は「さようならダムちゃん」です。
我々が結婚した頃から西生寺の池に暮らし晩年特に可愛がっていた錦鯉(緋鯉)のダムちゃんです。
そんなダムちゃんが5月の末に天寿を全うして極楽浄土へと旅立ちました😿。
享年35歳の大往生でした。
ということで今回の『おてら通信』は、
35年という長~~いお付き合いだった「ダムちゃんの追悼特集」をお届けしたいと思います。
(ダムちゃん💙)
鯉ってだいたい寿命が25歳から長くて30歳くらいだそうですので、
ダムの35歳はほんと人間年齢だと100歳越え!というとっても長生きをした鯉でした。
池には他に数匹の錦鯉が共生していて名前もついているのですが
私と住職は「ダムちゃん」「ダムダム」と呼んでダムだけは別格に可愛がり、
(紅白の子「ダーバオ(大宝)」、真ん中シルバーの子「銀河」、顔が肌色の子「ピース」)
1年ほど前からは毎日の大半をねぐらで寝ているだけという日が増えてきたので、
毎朝池をのぞき草陰のねぐらでぐーぐー寝ているダムを確認しては
「ああ今日も可愛いダムダムは生きている💙良かったー」
と安堵するような日々でした。
(亡くなる3週間前に撮った最後のダムの写真。1日中ひたすらじっと寝ているだけでした)
そしてダムは西生寺の鯉の中ではピカイチに大きな鯉でした。
そうでした、
「ダムという名前」についてです。
ダムちゃんのダムとはタイ語で「黒」という意味です。
ダムは体が地味な黒褐色の緋鯉だったのでそう名付けました。
でも年数が経つうちに、
鯖(サバ)サイズだったダムもどんどん成長してとっても大きく立派になったので
「黒という意味のダム」より
「ダム湖の巨大ダム」みたいなダイナミックで大きい!という意味のダムになりました。
(ねぐらでぐーぐー💤)
(水面に浮いているエサを目指して口を大きく開けるダム)
**
別れは突然でした。
かなりの高齢なので‶遅かれ早かれ‶な覚悟はしていたもののやはり「お別れ」は衝撃で悲しすぎでした。
諸堂を回って読経する「朝のお勤め」に出る住職の日課はまず「鯉のエサやり」をするのですが、
ひと足早く🅿で運動中の私の所に住職が悲壮な顔をしてやって来て「ダムが…」とひとこと。
「死んだんだ!!」
血の気が引きつつも池に走り水面に横たわるようにプカンと浮いているダムを見つけました。
そのあと、なんとかふたりでダムを池の淵に寄せてからすくい上げて一輪車に乗せて運び、
いつも我々の居る寺務所から近い場所を選んで深く穴を掘りました。
ダムを抱きかかえてそっと穴に寝かせ土をかぶせ、
その場でねんごろにお経をあげて(住職は弘智堂でもお経をあげてくれた)
手を合わせてお別れと感謝と冥福を祈りました。
これがダムちゃんのお墓です。
御影石の四角いプレート2枚がだいたいダムの身長ですが、
屍の匂いを嗅ぎ付けて食べに来るハクビシン軍団からダムを守るように
もっと広範囲に厳重に石を敷き詰めました。石は境内中からかき集めて来ました。
(実際2度、夜にハクビシンが荒らしに来た形跡がありましたが、
この石がじゃまをして土を掘り返せずあきらめたのかもう3度目はありません)
それと思ったこと。
日頃ふれ合いの多いニャン🐈やワン🐕と違って、
お魚なので死んで初めてじっくり眺めたり触れたりできたわけですよ…
亡骸となったダムの大きな体を初めて目の前にして両手で抱えてみると、
その思っていた以上の重量に住職も私も驚きました。
たぶん、5キロのタビー2匹分🐱🐱は軽くある
真冬の寒ブリのような大きくてプリプリな魚だったんだなーと死んで初めて知りました。
そして鱗も厚くて硬くて本当に立派で‶銀鱗‶とはよくいったもので、
キラキラと輝いていてほんとカッコイイ鯉だったなーダムは…
と、全く動かなくなったダムの自慢の額を優しくなでながらもう涙が止まりませんでした。
それでもね、、、
亡くなる前日の朝「ごはん!ごはん!」と手を叩くと
珍しく他の鯉と一緒にいつものねぐらからダムも出てきて、
悠々と池の淵を2周してから私の見ている前で「エサを2粒」食べてくれたんです…💙
この時が生きているダムに会った最後となりました。
なんのメンテナンスもしない放って置くばかりの泥池で
他の鯉が野生の獣に喰われたりして次々行方不明になるなか、
よくこれまでたくましく生き抜いてくれました。
ダムちゃんありがとう💙
そしてさようなら💙
本当に良い鯉だった💙
「墓守」は私に任せて!安心して眠って慣れ親しんだお寺の土に還ってください。